THE PATS PATS(ぱっつぱっつ)は闘う乙女なんです!【前編】
Interview / Text Ayumi Tsubouchi(VAMP! /CHICKS RIOT!)
――初めての出版物『Endless Girls Talk』を完成させて、今どんなことを思っている?
あきこ これを読んだ人がどんなことを思うんだろう?って、 具体的に想像ができなかったんですけど、『Endless~』 を買ってくれた人たちの感想を聞いて、 自己紹介的な内容に仕上がっているなと少しずつわかってきました 。
みどり 人の意見を聞いて、ようやく実感が湧いてきています。
あきこ インタビューをしている時は、着地点なんかまるで考えずに、 とにかく喋るだけ喋っていたという感じだったんですよね。
あゆみさんに質問されて、 昔を振り返りながら喋るということがただ純粋に楽しくて(笑)。
そんなとりとめのない話を、 あゆみさんが私たちを知らない人たちにも伝わるようにポップにわ かりやすくまとめてくれて。
みどり うん、本当に誰が読んでも伝わる内容になっていたよね。
あきこ あと、デザインに関しては、デザイナーの杉山(勝彦) さんに自分の頭の中で描いていたほぼそのまんまに仕上げてもらっ て。
みどり 杉山さんに出してもらったラフを見るまで、 私にはまったくわからなかったんですけどね(笑)。
――あっこちゃんは、 デザインについてどういうイメージを持っていたの?
あきこ 最初カヴァーに写真を使おうとしていたんですけど、 途中でいや違うなって。漫画でも、曲でも、 リズムがあるじゃないですか。
――最初イントロがあって、みたいな。
あきこ そうそう! いいイントロからの、ここで盛り上がりがあってみたいな(笑)。
台割を紙に書いてイメージを具体的にしていきながら… 表紙は写真じゃなくて、やっぱりシンプルに文字だけにしようと。
最初の情報を文字だけにしておいて、ページをめくるにつれ、 いろんな要素が出てくるような形にしたくて。
その方が、 秘密感があって良くないですか?
その方が、
――日記みたいな?
あきこ そう! ぱっつぱっつって、 みどりちゃんと私の性格的に閉じている部分が結構あると思うんで すけど、そういうところがカヴァーに出ているのはいいなって。
ふたりとも誰とでも仲間になれるタイプではないけど、 好きな人のことはめちゃくちゃ好きなんですよ。
だから、むしろ、 そういう作りの方が私たちにとっては自然でいいだろうと。
だから、むしろ、
みどり うん、結果的に良かったんじゃないかって。
でも、 杉山さんが形にしてくれるまで、私にはあこたす(あきこ) の頭の中にあったイメージはまったくわかっていなかったです( 笑)。
でも、
あきこ 裏表紙は表とは逆で、 ドーナツの浮き輪を持って撮ったふたりの写真だけを載せているん ですけど、そのアイディアを初めて伝えた時、みどりちゃん、 ドン引きしていたもんね(笑)。
みどり だって、全然イメージがわかなかったから(笑)。
杉山さんの出してくれたラフで、ようやく、 こういうことなのかって。
あきこ 絵に描いて一生懸命説明していたんですけど、ずっと「えっ、 えっ! 大丈夫?」って言われて(笑)。
全員 わはははは!
みどり あと、作る前は『Endless~』のことを“zine” と言っていたけど、完成したものは一般的な“zine” の枠を超えたモノになっているなって。
――それは言えてる。内容だけに着目すると、 完全にバイオ本だよね。
作り終えてみて、私が思ったのは、 これまでにアルバム・ デビューの前にこんな濃密なバイオ本を出したガール・ バンドがいただろうか?ってこと(笑)。
作り終えてみて、私が思ったのは、
あきこ わははは! いないですよね(笑)。
みどり 完成品を前にしても、比較するモノがない(笑)。
――「zineを出します!」と聞いて、 イメージするモノではないだろうね。
ぱっつぱっつがzineを出すと聞いて、例えば、 ふたりが手書きで好きな食べ物について書くとか、 そういうイメージを持っていた人もいたかもしれない。
でも、『 Endless~』は、いきなり身の上話だから。
でも、『
あきこ そう、がっつりと(笑)。
そういえば、 誌面に載せている写真を初めて見てもらった時、あゆみさんが「( 雑誌の)『H』っぽいね!」って言ってくれたんですけど、 私はそこで完全に火がついたんですよ。
そういえば、
――そうだったの?(笑)
あきこ そう(笑)。
その言葉を聞いて、『H』とか、 そっち系の音楽雑誌っぽいものにしたいってスイッチが入っちゃっ て。
やりたいことのひとつでもあったんですよね。
『ロッキング・ オン』からオファーがこないから、 自分たちで2万字インタビューをやったっていう(笑)。
その言葉を聞いて、『H』とか、
やりたいことのひとつでもあったんですよね。
『ロッキング・
――確かに、 これまでの振り返りインタビューをするということで現場へ行った のだけど、 時間も内容もあそこまでディープになるとはまったく思ってなくっ て(笑)。
3日間6時間にも及ぶ壮大な取材になるとは…。
3日間6時間にも及ぶ壮大な取材になるとは…。
全員 わははは!
あきこ 普通はバンドのインタビューと言ったら、 好きな音楽の話をするものだけど、 うちらの場合はそうじゃなかったですからね。
みどり いきなり、人生を語る、みたいな(笑)。
あきこ そうそう。
みどりちゃんと私のいる小さな世界について、 語りまくっていて(笑)。
みどりちゃんと私のいる小さな世界について、
――そうなんだよね。こういうルーツがあって、今がある… という内容ではなくて。
音楽というより、 バンドの基盤になっているパーソナルな部分にいきなり切り込んで いて(笑)。
音楽というより、
あきこ ぱっつぱっつとしてアルバムをまだ出していないというのもあるし ね。
世に出ている曲も、10曲もないんじゃないかな?
だから曲を聴いたことのある人と実際にライヴを観たことのある人 では、 ぱっつぱっつに対する印象がぞれぞれ違うんじゃないかなと。
音楽的な部分での共感があってライヴへ来てくれていると思うんです けど、ぱっつぱっつのライヴは音楽的な要素と、 私とみどりちゃんのキャラクターで構成されていると思っているの で、ライヴハウスに来るのが苦手という人には、『 Endless~』を強くおススメしたいですね。
私たちのパーソナルな部分を言葉で表現しているものだから。
これを読んで、私たちの音楽を改めて耳にしたら、 もっと美味しく聴けるし、 すごく奥にあるモノまで感じることができると思うんですよ(笑) 。
読んだ後に聴く「Girls Talk」とか「ドーナツの歌」「ロックンロール・ダイエット」 はそれまでとは格段に違うはずです。
世に出ている曲も、10曲もないんじゃないかな?
だから曲を聴いたことのある人と実際にライヴを観たことのある人
読んだ後に聴く「Girls Talk」とか「ドーナツの歌」「ロックンロール・ダイエット」
みどり エモ・フィルターがかかるからね(笑)。
――ぱっつぱっつというバンドへの理解が一層深まる。
あきこ そして、 私たちが以前やっていたbubugirlsのCDもきっと欲しく なる(笑)。
――買わずにいられなくなるね(笑)。
みどり そして、親近感持ってもらえると思います!
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